ミツバチの生産物
ミツバチは、人類にプロポリスや蜂蜜、ローヤルゼリーなどのバラエティに富んだ豊かな生産物を与えてくれます。またミツバチは果物などの生産の際に花粉の媒介による受粉作業にも活用されており、日本でもイチゴやメロンなどの栽培には欠かせない存在となっています。
▼プロポリス
プロポリスは、ミツバチが植物から集めてきた樹液や花粉などの樹脂成分と自らの分泌物を混ぜ合わせてつくりあげるものです。
ミツバチはこのプロポリスを巣に塗りつけ、バクテリアや雑菌などから巣を守り、巣内を清浄な無菌状態に保っています。
プロポリスの抗菌性や殺菌性、抗炎症性、抗酸化性などに着目し、日本でも健康食品として多くの方に活用されています。
また世界に目を向けると、ルーマニアやドイツ、デンマークといった西洋諸国を中心として、世界の各国で医薬品として、また健康食品として人々の健康を守る物質として知られています。
プロポリスに含まれる成分としては、ミネラル(銅、マグネシウム、鉄、カルシウム、アルミニウム、ストロンチウム、マンガンなど)やビタミン類(B1、B2、B6、E、C、A、ニコチン酸、パントテン酸など)、アミノ酸、脂肪、有機酸、そしてフラボノイドなどが知られています。
最高級品質と認められているブラジル ミナスジェライス州産のプロポリスには、アレクリン由来のアルテピリンCや、クレロダン系ジテルペン、ケルセチン、カフェイン酸フェネチルエステルといった注目の成分も含まれています。
▼蜂蜜
蜂蜜とは、ミツバチが花蜜を集めてきて巣に蓄えたものですが、天然の甘味料として人類は古代エジプト時代から活用してきたといいます。
ミツバチは、花蜜を自らの酵素によってショ糖を、果糖とブドウ糖に分解します。
そして何万匹ものミツバチが羽をばたつかせて風をおくり続けることで蜜の水分量を約20%(果糖とブドウ糖は75%程度)にまで濃度を高めます。
このようにして濃縮された蜂蜜は、何十年、何百年経ったとしても変質することなく、食用に利用できるといわれています。
蜂蜜は、蜜源とする花の種類によって味や色が異なってきます。ミネラルの含有量が多いほど濃い色の蜂蜜となり味も濃厚になります。
現在では、お料理の食材として使われたり、製菓の原材料や健康食品、化粧品の原材料として利用されています。
▼ローヤルゼリー
ローヤルゼリーは女王蜂の食べ物として知られています。
若い働き蜂の上顎と下顎の咽頭腺から分泌されるそれぞれ異なった成分が混ぜ合わさることによってできる物質です。
女王蜂は、同じメスである働き蜂と比較して、体の大きさは約2~3倍になり、寿命も30~40倍と長生きし、毎日約1500~2000個の卵を産み続けるといいます。
この女王蜂の驚きのパワーを支えているのがローヤルゼリーなのです。
1954年当時のローマ教皇が老衰による危篤状態に陥った時に、医師団がローヤルゼリーを与えたところ驚くべき回復ぶりを示したことで全世界的に注目されるようになりました。
ローヤルゼリーは、水分、タンパク質、炭水化物、脂肪、灰分などによって構成されています。
タンパク質の中には、必須アミノ酸が多く含まれています。
灰分の主なものには、鉄、銅、マグネシウム、コバルト、ビタミンB1、B2、B6、B12、ニコチン酸、パントテン酸、イノシトールが含まれています。
▼蜂ロウ(蜜ロウ)
ミツバチが花蜜と花粉を食べて体内で合成して、ロウを分泌します。このロウで巣づくりをしたり、巣の修理をしたりします。
蜂ロウは古くからろうけつ染めやろうづけなどの工芸分野で用いられてきました。良質なロウソクの原材料として使われたり、化粧品にも活用されています。
▼花粉
ミツバチは、あしのとげにひっかけて花粉を蜜でまるめた花粉だんごを巣にもち帰ります。貴重なタンパク源として、幼虫の食料として欠かせないものです。
成分としては、ほとんどがタンパク質となっており、その他に各種アミノ酸やビタミンが多く含まれています。
日本でも健康食品として活用されていますが、花粉症の心配はいりません。
花粉症の原因となるスギやマツは風によって送粉しており、ミツバチのような昆虫を通しての花粉媒介ではありません。
▼蜂の子
蜂の子とはオス蜂の幼虫のことで、日本では珍味として珍重されています。これをフライパンで炒って少し塩味にしたものや、蜂の子を砂糖と醤油で下味を付けてからご飯を炊きあげる蜂の子飯、佃煮などといった調理法があります。
▼蜂の毒
ミツバチの毒には、ヒスタミン・ドパミンなどのアミン類、メリチン、ホスホリパーゼなどの酵素、神経毒としてアパミンなどが含まれています。蜂毒を利用して、神経痛、リューマチ、肩コリ、腰痛などを治療する蜂針療法や蜂毒療法があります。
蜂毒アレルギーのある方はこの治療を行ってはいけません。
▼花粉交配
ポリネーションともいわれ、ミツバチの花粉媒介により、果物や野菜の花粉交配を行うことです。
現在では、ビニールハウス栽培でのイチゴ、メロン、スイカや、果樹園でのりんごやウメといった作物の栽培に利用されています。
特に日本のイチゴ栽培では100%ミツバチなしでは生産できないといわれています。
▼フェロモン
ミツバチの女王蜂フェロモンや働き蜂の集合フェロモンは、ミツバチが統制のとれた集団生活を送るために活用されています。フェロモンは、花粉交配の時期にミツバチを一ヶ所に集めさせることにより受粉の効果をあげることなどに使います。女王蜂のフェロモンなども製品化されており、輸送中の興奮状態にあるミツバチを落ち着かせたりするのに使われます。








