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ミツバチの生態

新女王の誕生と結婚、そして巣分れ

 女王蜂は羽化してから一週間ほどで交尾し、さらに一週間ほどで産卵を始めます。多い時には1日に2,000個以上もの卵を産み、そしてそれを毎日5年間に渡って卵を産み続けるという驚きの働きをします。同じメスである働き蜂の寿命が60日~90日であるのに対し、驚くべき生命力をもっています。

ここでは、新女王が誕生して、結婚し、そして独立して巣分れが起こるまでをみていきます。

 

ミツバチの社会では、群が大きくなってくると新しい女王蜂を育て、そして巣分れをして群を分散させるということが起こります。春先から夏にかかるときにオス蜂が新しく家族として加わります。

ちょうどそのころ、働き蜂たちは新しい女王蜂を育てるための特別な部屋である「王台」くりにとりかかります。王台は働き蜂を育てる巣房よりも随分と大きく、ラッカセイのような形をしています。

 

女王蜂は数日置きにいくつかの王台の中に卵を産み付けていきます。

3日目に幼虫が孵化(ふか)すると、働き蜂は咽頭腺からでてくるローヤルゼリーをたっぷりと与えていきます。王台の中いっぱいにローヤルゼリーが満たされて、幼虫はローヤルゼリーに浮かんでいる状態となります。

 

ローヤルゼリーをふんだんに与えられた幼虫は成長も早く、7日目にはさなぎに変身します。始めは真っ白な体をしていますが、成長していくとともに全体が黄色味を帯び、骨格もしっかりとしてきて成虫に近づいてきます。

 

さなぎになって1週間が経つと、まゆを食い破って羽化した新女王蜂が王台の外にでてきます。

 

ミツバチの世界では、ひとつの巣に2匹の女王蜂が君臨することを許しません。羽化した新女王蜂は、他の王台に針を突き刺し、その中にいる幼虫やさなぎをすべて殺してしまいます。 

もし同時に2匹の新女王蜂が生れ出てしまった場合には、どちらか一方が死ぬまで戦い続けます。

 

そして1週間ほど経ったとき、新女王蜂はオス蜂を引き連れ上空へと飛び立ちます。15メートル上空というミツバチにとっては高いところで、新女王蜂はオス蜂たちと交尾を行います。

女王蜂にとっては空中での結婚式という訳です。

 

さて、新女王蜂が生れたときには旧女王蜂はどこにいってしまったのでしょう。

旧女王蜂は、新女王蜂が生れたときにはもう巣を去ってしまっているのです。旧女王蜂は、新しい女王蜂と若い働き蜂たちに巣を譲り、大半の働き蜂たちを連れて新しい巣を別につくるのです。

これを巣分れといいますが、巣分れが起こる日はミツバチの大移動になりますので、壮観な情景が広がります。

 

働き蜂たちは巣の入口付近に集まります。まず先導役の働き蜂が数匹ずつになって巣から飛び出していきます。その後を追うように働き蜂たちが順番にどんどん飛び出していきます。

そして数匹の働き蜂に守られて女王蜂が飛び立ちます。それを合図にさらに飛び立つミツバチの数が増え、大挙して勢いを増して旅立っていきます。

 

黒い一団となって大挙して飛び立つ姿は非常に勇壮なものです。巣分れの群は、しばらく大空を飛びまわったあと、近くの木の枝などに立ち止まってしばしの休憩をとります。

そこで群の中から選ばれた数十匹の働き蜂が、巣作りに最適の場所を探しに出掛けます。

良い場所が見付かったら、そこに新たな巣をつくり群の生活を再開することになります。

 

一方、オス蜂との交尾を済ませた新女王蜂は巣に舞い戻ってきます。

そして新女王蜂を待っていた若い働き蜂と共に新しい群の生活を始めることになります。