ミツバチの生態

女王蜂の神秘の力

 働き蜂と同じ受精卵から生まれる女王蜂ですが、働き蜂と比較して非常に神秘的な生命力をもっています。ほとんどの働き蜂の寿命が1ヶ月ほどしかないのに対し、女王蜂の寿命は平均で3年程あり、中には8年ほども生き続けた女王蜂もいるようです。

働き蜂と比較して、体の大きさは働き蜂の約23倍になり、寿命も3040倍と長生きし、毎日約15002000個の卵を産み続けるという驚きの生命力をもっています。

 

この驚きの生命力を生み出しているのがローヤルゼリーなのです。

 

群にただ一匹だけいる女王蜂ですが、女王蜂は特別に「王台」と呼ばれる巣房の中で、ローヤルゼリーをたっぷりと与えられて成長します。

 

女王蜂は成長も早く、オス蜂が23日、働き蜂が21日かかって巣房から出るのに対し、女王蜂は16日で出房し、羽化します。

 

そして1週間くらいで発情し、空中高く飛んで行き、オス蜂と結婚します。オス蜂と交尾して1週間程度で産卵を始めますが、その時の交尾で以後数年間に渡り卵を産み続けるのです。

産卵に必要となる精子は女王蜂の体に蓄えられており、毎日約15002000個の卵を産み付けます。

 

また女王蜂は卵を上手に産み分けられることでも知られています。働き蜂の巣房には有精卵を、そしてオス蜂の巣房には無精卵を間違うことなく産み分けていきます。それぞれ巣の大きさに違いがあり、女王蜂は足の感覚で巣の違いを見分けているといわれています。

 

卵を産み続けるのは重労働のようで、女王蜂の周りには世話役の働き蜂たちがずっと付き添い、働き蜂たちはローヤルゼリーを作ってはせっせと女王蜂に与え続けています。

 

群の強さは働き蜂たちが集める蜜の多さによって左右されるため、巣の中の働き蜂の数が重要になってきます。群の勢いを強くするかどうかは、女王蜂の産卵力にかかっているといえるでしょう。

 

また女王蜂は、独自の女王物質と呼ばれるフェロモンを出すことによって、群を統率しています。

女王蜂の統率力はその群に数万匹いても変わりません。女王蜂を群から人工的に引き離して、巣箱の中に入れれば、他のミツバチたちは一糸乱れぬ勢いで一匹残らず巣箱の中に移動していきます。

 

また、一匹しかいない女王蜂が事故などでいなくなった場合、働き蜂たちは異常なさわぎ方をします。産卵が出来ており、代わりの女王蜂候補がいる場合は、変成王台をつくり女王蜂を育成します。

 

しかし代わりの女王蜂候補がいない場合には、働き蜂がいっせいに産卵を開始し、非常な混乱が発生します。オス蜂と交尾をしていない働き蜂は無精卵しか産み付けることができず、子供がすべてがオス蜂に育ってしまいます。

秩序を保てなくなったこの群はやがて全滅してしまいます。

 

女王蜂はカリスマ的な統率力をもって、群の秩序を保つ求心力を持っているのです。